施工事例

 御神木を避ける

現場を見せていただき、翌日には大体の工法というのは思いついていたのだ・・・・。

現場は公民館ではあるが・・・・・実は神社の社務所を兼ねた建家であって・・・・・その建家の玄関タタキが傾くほどの悪さをしているのは、樹齢200年は超えてそうなケヤキの大木=「御神木」!!!なのだ。

玄関先のステップ石ばかりでなくタイルが貼られた部分も持ち上げられて雨水が家側に流れてしまう「逆勾配」状態。加えて昔の滑り止めがないタイルなものだから危なくって・・・・・と改修依頼が来た。

 

改修方針は、会合で伝えたが・・・・問題は多々あって・・・・・。

① 公民館なものだから、皆の意見というか数人の役員でさえ、意見集約に時間がかかる

② 改修方針に注文が多い

③ 何より「御神木」を傷めずにできるのか? という当方に対する信頼性の欠如

改修の方針は、簡単に言うと。

「既存の玄関タタキを撤去して、根っこで押されている部分を逃げて、コンパクトにする。その素材はコンクリートを使わず、独立型のブロックとしてもし根が張ってきても再度の改修をしやすくする」というものだ。

「御神木を傷めずに施工できるのか???」という問には「なんとも答えようがない」のだ、要は根っこがどの程度まで張ってきているのか???これはタタキを壊してみないとわからない。

と、正直答えても役員たちの会議の結論は伸びるだけなので・・

「大丈夫です!これまでより小さくなりますから」と得意の裏打ちの乏しいハッタリで結論を急がせる。

しかし 今度は

「小さくするっても、○○cmは欲しいよな」

「それじゃ小さくなってませんよね。根っこから逃がすのが目的ですから」と要望も多いが矛盾も多い・・・(^_^;)。役員さん歳をとると、クドイ・・・・。

何週間もかかって、何とか改修OKとなった。

「任せなさい」と大見栄を切っているが、本当に壊してみないとわからないのだ。

太い根っこが出てきたら・・・・・・・。

 

実はコウダは居直っている。ここは「熊野神社」なのだ。熊野大社には、2年前熊野古道を4日も歩き詣でている。知り合いといえば、知り合いの神様。あっちも私を覚えているはずだ、と思う。

「心配すんな 熊野とはダチだから大丈夫」と言って済ませたかった。

実際根っこが張っていたら・・・・・住民の見ていないところで「斬る!」所存でいたのだ。

斧と鉈を忍ばせて現場に入る。

とはいっても、礼節を欠くわけでない。当然玉串を供え、111円の賽銭をあげ、伺いをたててからの作業になる。

 

果たして・・・・・

ヒゲ根はたくさんあったが、ナタを使うような太いものは出てこず、下地砕石の15cm下あたりに太いものがでてきた。この程度ならあと15年以上は大丈夫だろう。(その前に公民館自体が傾いているかもしれない)

 

玄関屋根柱が落ちないように上から吊っておいてコンクリートを削る。梁材も左右に仮柱をはめ込んで受けている。

柱は独立の基礎石で受ける。

そして新しいタタキは、セメントを使わないテラス製作用の空洞ブロックを使う。

「東洋工業製 フリップテラス」という製品。乾式工法なのでこうした玄関もほぼ一日で完成してしまう。「ちょっことテラス」という記事を少し前に書いたと思う。

ビフォア

根が張って土が持ち上げられれば独立型のブロックなので全体がもち上がることはない。対処しやすく作った。もっともその対策が必要になる頃には、私はこの世に居ないかもしれないなあ・・(^_^;)。