依頼を受けた住宅は、今流行りの高気密住宅でした。これからの住宅は「標準化」されていくと思いますが。
燃焼系ストーブ薪でもペレットでも、こうした家に取り付ける際は、相当な配慮が必要です。
薪ストーブは下手をすると一酸化炭素中毒の危険性も起こりかねません。ペレットの場合はそこまでにはならないと思いますが、各種センサーがエラーを発して非常に使いづらくなります。
「注意せねば」と思ったのは、現地調査に行った際に、このお宅吸気側のガラリを全閉にして生活されていたからです。
隙間風が入ってきそうで・・・・・というのは人情的にわかりますが、絶対にやってはいけません。
高気密住宅であっても、計画換気はセットになっております。人間が一人二人生活する分には酸欠にならないでしょうけど、暖房として火を燃やすと話は別です。
ペレットストーブは、安全性のために各種センサーが燃焼状態をモニターしているのですが。例えば、レンジフードという強力な換気扇を動かしている時に、気密性の高い玄関ドアが開けられると・・・・・急激に室内の気圧が下がるのです。ペレットストーブにとっては、出ていこうとしている排気ガスが室内に引っ張り戻されるわけです・・・・・・そうした異常気圧を測っているセンサーがエラー報告をしてストーブが止まるのです。
ペレットストーブの場合は、止まるだけで済みますが・・・・・薪ストーブは下手すると命に係わることになりますので、いい加減なストーブ屋に当たると注意が必要です。
そんなわけで、換気口は絶対に塞いではいけません。ストーブを新築住宅に設置する際は、ストーブ用にもう一個追加してもらっております。
ですから今回「吸気口を潰してストーブの排気口にできないか?」と言われた時には、きっぱりそれはできない理由を説明しました。
上方にある吸気口をそのままに、排気口を下方につければ良いように、思うでしょうけど・・・・・。
温かい排気は上に登りますので、悪い条件が重なると、また室内に戻ってい来る可能性もあります。
それなので、手間はかかりますが。既存の吸気口を排気口に替えてストーブの排ガスを抜いて、新たに下方に吸気口を新設しました。
この位の改造は、ユーザー様が安心で、確実に使ってもらうために必要なことなので、追加料金なしで標準工賃で行っております。