近年この辺りでは珍しくお金のかかった和風庭園でしたが、その後住まわれた方には色々不都合もあったようで、その改装依頼がありました。 まずは飛び石と石製のテーブルセット。飛び石は入れ過ぎで、せせこましく感じます。またテーブルセットは傾き、かつ高さが 中途半端で使ったことがない、とか。使えるようにして欲しい。
これを改装してみました。 多すぎて余った飛び石は、舗石として犬走から移動しやすいように並べ替えます。防草シートを敷き込み、仕上げ材は白那智石です。
テーブルは、膝が入れられるように足の下にコンクリートベースをかさ上げして全高を上げます。ドウダンが成長し過ぎていたので2本撤去。テーブルの周りを広々と。また足元も土だと使い辛いので、インターロッキングでテラスを作りました。 全体に日本庭園で、色彩的にシックなので、ここは白ベージュ系のポップな色使いにして、ご家族が明るい気持ちでお茶が飲めるように、あえてこうした色使いにしてみました。
もともとは、赤い火山灰系の土が入っておりましたが、これも明るくするために白那智石を敷き詰めました。 早速3時のお茶をここでいただきました。
白い砂利のせいで、大変明るくなりましたが、しやり過ぎると、目にもシツコイ。それで庭石との間に、二箇所瓦で仕切った「枯れ池」を新設。本来はこの中に白い砂利を入れるのが王道なんですが・・・・。ここには「スギコケ」を配します。 つまり 白砂利と飛び石が渓流の流れ、そしてコケが水辺、そして岩と森の木々につながっていく、というイメージでデザインしました。
続いて、玄関アプローチに取り掛かります。枯れてしまったモミジの代わりに柘植を移植。違和感ない収まりに施主様も大満足。
ここまでが中庭偏。 これから前庭。 実は当初は、来客が多いということで、 約50坪の駐車スペースはアスファルト舗装の見積もりでした。 しかし中庭が想定以上に立派になったので、アスファルトだけじゃ台無しだ。駐車スペースを妨げず、かつ格好良くデザインしてくれ、と追加の依頼を受けました。
まずは掘り出した敷石と 持ち込んだ転石で築山を組みます。
それでは、基本プランは、入口に屋敷門風に構えが立派なので、その幅で御影石の舗石を敷き詰めます。門外からは御影石だけ目に入ります。
その奥にやはり天然石(飛び石とそれを囲む乱形石)のアプローチが続きます。
その右側がアスファルトで駐車スペース。その間に築山を作り(ここにも柘植を植栽)、車は右側へ、左側が人間の通路になります。
飛び石 乱形石 御影石 そして アスファルト。ここから来客のアプローチが始まります。
この築山は、人と車の動線を区切るという役割の他、玄関先を入口から見えないようにする役割も持たせています。もちろん来客を楽しませる四季の草花・植木を植えると一層良くなります。
元々あった飛び石を再配置。また庭石を追加して築山を作り、飛び石の周りには乱形の石貼。 植栽との仕切りに、川原の栗石と緑の緑花石でアクセントにしています。 でもただの飾りではなく、石貼りで増える雨水を逃がす排水路の役割も担っています。
と ここまで立派になってくると。また欲も出るし、他がみすぼらしくなる。ということで また追加工事。
まずは立水栓。
和風テイストを生かすため、さび御影石でパンを作り、 洗い場は天然砂利の洗い出し仕上げ。水栓自体は、ウリン材で囲みました。
建家とガレージの間がデッドスペースでした。お子さんや親戚が集まる際のバーベキュースペースにしましょう、ということで。 エスビック社の「パエリア」という 新製品を使いました。インターロッキングに見えない、なかなか良くできた製品です。これはパターンを変えて4種類の目地が製品の上面に刻まれているので、 不定形の石貼に見えます。
「これは、お茶するのに良い場所になったわ」と喜んでいただきました。