こちらのお宅からは過去に何度か外構のお仕事を施工させていただいています。
久しぶりにご主人様来社されて「看板を移動できる業者紹介してください」と言われました。
「何でも任せなさい」と日頃嘯いている当社ですが、実はそんなことは初めての仕事なんです・・・。
「何でも任せなさい」と答えていたのでした。
自宅の一部を改装して奥様が美容院をされていたのですが、隣地に建家が建ってしまい看板が見えなくなってしまったことで敷地の反対側に移設、という仕事です。
本体パネルと柱2本を分解して、掘り起こしていたんでは、コストがかかりすぎてしまします。そこで組み付けたままクレーンで吊って移動することにしたんですが・・・・・・。
最大の難関は、柱が鉄の角パイプという一本が大人二人でやっと移動できるという丈夫で重いものなのに対してパネルは本体は2mmほどのアルミ板、フレームがアルミアングル製という非常に華奢な構造であったことでした。つまりパネル側に荷重を掛けないように吊らないと、柱の重量で簡単に曲がってしまうことが予想されるのです。
パネルに負担かけないやり方は??????
ロープワークというか、どう吊るか???????
何日間か・・・・・結構悩みました。
で最終的な施工方法は・・・・。
まずロープは柱の外側を回して行き、将棋の駒のように五角形の頂点で吊ります。こうするとそれぞれ肩の部分が内側に絞るように押されてしまいパネルは破損します。そこでパネルの上下に木材を渡してつまり柱と木材で「井形」形状にして荷重を受け止めます。木材は下部は二枚で柱をサンドイッチしてボルトナットで締め上げ柱に穴など開けずに固定します。上部は潰れる方向につっかい棒の木材を入れて受けてます。
で、結論からいうとこの吊り方は全く完璧に機能しました。荷重点は将棋の下の角部分ですので、パネル部分にはストレスはかかっていません。
↑↓ 上には電線が・・・・・すぐ隣には建家。こん場所でのオペレーションは社長以外やらせません。
しかし別のところで想定外が待ってました。根元のコンクリート少し掘り下げると、なんとスパイラルパイプといいますが、金属製のパイプの中にコンクリートを流し込んだ基礎が出てきたのです!!!( ゚д゚ )。
看板をクレーンで軽くテンションかけて吊り、柱の周りを掘り下げながらコンクリートを削る、という予定が。金属の枠を少しづつ切断、剥きながら内部のコンクリハツリ・・・という倍以上の手間がかかり。
その日のうちに移動・・・どころか半分程度しかハツレず。クレーン車を延長して借り一晩吊ったまま駐車するという近隣住民にも迷惑な事態になってしまいましたm(_ _)m。
二日目午後何とか吊り上げに成功。しかしそこに強風注意報が・・・・・・時折「男体降ろし」の強風が恐怖!!!!!って洒落を言っている場合じゃないほど作業員の顔に緊張が。一度凧のように煽られかけましたが、二人で柱にしがみついてやり過ごしました。
日頃動揺はみせない社長なんですが・・・・今回ばかりは疲労困憊、肝を冷やしました。