庭石が豊富に使われた和風のお庭。主様が急に車椅子生活になられてしまって、スロープが必要になりました。
問題は敷地の傾斜。山の造成地のため、玄関と道路では1m以上の高低差がありました。
ご家族の最初の意向は円形の飛び石部分をコンクリートで覆って、というものでしたが・・・。折角の立派な飛び石。イメージが壊れますし、第一に勾配がキツ過ぎます。現場を見回してだした結論は・・・・・。
現況の玄関口より奥、登っていく歩道中間部分から玄関横に繋げる、つまりバイパス道を新設する、というプランです。そうすることで 庭のイメージ改変を最小に、そして勾配を緩やかにでき、かつ距離も短くできます。
結構な量の石と土を移動させることになりますが、ここが一番使いやすくかつイメージの変更が少ない。
土はしょうがないですが、庭石は極力搬出せず現場で再構築する予定です。
庭木も岩も、置いておくスペースがないので、何処へ置いて、何処を削るか・・・・段取りが難しい
灯篭下にあった蹲は、こちらに移動。最初の造園屋さんには悪いけど。私なりに形を組み直しました。
玄関先の飛び石3個。スロープ部分が伸びかつ高くなることで。その分かさ上げして高さを合わせます。
またスロープには直接関係ないですが。 玄関口左の大岩。送迎車とその昇降に邪魔になるだろうと、撤去移動します。 代わりにスロープの下敷きになってしまう飛び石を持ってきてはめ込みます。 これで車も楽に歩道部分に乗り入れられます。 家人にかえってすっきりかっこよくなった、最初からこうだった みたいに違和感ない、と喜ばれました。
スロープの完成です。玄関左の大岩はこちらに移動して、土留の役割を担っていただきました。
タイル面プラス130cm広がりましたので、玄関先で車椅子が90度曲がるのも苦になりません。
スロープはただ付ければ良いのではありません。
段差だけでなく、ドアの開く向き、玄関内框の処理、雨、風の具合、そして何より危険性の排除。動線をよく考えて設計するのが肝要です。
送迎車が出入りしやすように歩道の縁石も撤去(許可を得てやってます)。 庭石は一個残らず搬出せず再利用できました。
庭のイメージ変更最小限でスロープが完成しました。 依頼主様は大変喜ばれました。
勝手口からの動線にも配慮。階段ステップ用石を配置。